歌舞伎町の噂調査!
『昭和ホスト編』
~柏原勝哉 伯爵・逢坂 剣さん~
『昭和ホスト編』
~柏原勝哉 伯爵・逢坂 剣さん~
今年で46歳になる現在もプレイヤーを続け、某有名番組に多数出演歴のある柏原勝哉 伯爵と、某大手グループ年間NO.1を記録し、2022年より内勤へと転身された来年で50歳になる逢坂 剣さん。
昭和から令和の現在まで様々な苦悩を乗り越え、ホストという職業を歩んできた同世代のお2人に、対談を兼ねたインタビューをさせていただきましたのでどうぞご覧ください♪
- 柏原勝哉 伯爵『ハムレット』
2000年 ホストデビュー
2004年 代表就任
2006年 自分のお店を持つ
2007年 某グランプリ「熱狂的ファンナンバー1賞」受賞
2017年 ザ・ノンフィクション「追い込まれた男」
2019年 アウト×デラックス、ザ・ノンフィクション「もう一度、輝きたくて…」、 BSフジ特別編『返り咲いた男』
2019年 「Club ROMEO」にて No.1に返り咲く。
- 逢坂 剣さん『ガイ』
1990年 大阪・ミナミのホストクラブにてホストデビュー、No.1を獲得。
1991年 名古屋・栄のホストクラブへ入店。
1992年 東京へ上京し、スカウトを経験後、某ホストクラブへ。
1993年〜2013年 大阪・ミナミや、六本木でホストクラブ経営や、自身の会社を経営。
2014年 41歳からホストに復帰し、錦糸町のホストクラブを経て、歌舞伎町某有名グループのホストクラブへ入店。
2018年 グループ年間No.1を獲得し、最年長ランカーとなる。
(以下、敬称略)
- 昔のホストと今のホストの違い。
☆:「過去の経歴・実績」はこちらで合ってますでしょうか?
伯爵:はい。ただ生まれたのは埼玉なんですけど転勤をしてるので、出身地の設定は「Sexy星」になってます。
(一同爆笑)
伯爵:埼玉詳しい人に突っ込まれても俺わかんないんで(笑)
逢坂:あるあるですよ。自分も大阪生まれ、大阪育ちなんですけど。そっから奈良県の方に引っ越して、実家に帰るのに迷子になって。16歳…高校中退でフラフラしてるうちに、実家が引っ越して場所がわからなくなって(笑)
伯爵:実家が勝手に引っ越してたんですか?(笑)
逢坂:はい!なので、未だに迷子になります!実家に帰るのに(笑)
伯爵:今俺も埼玉じゃないんですよ!実家の親が定年して山形に行って、ややこしいんですよ。だから説明は表向きにね「Sexy星」って言った方が「変わってるね」で終わる(笑)ただノンフィクションに出ちゃったんで「Sexy星」って言ってると、ちょっと痛いなっていう(笑)全部さらけ出されてるの(笑)年齢も隠してたんですよ。昔コンプレックスだったんで。
☆:そうですよね、隠してましたよね。
逢坂:上(年齢)っていうのがコンプレックス?
伯爵:上っていうのがコンプレックス。やっぱり僕が働いてる店は若い子ばっかりだったんで。
逢坂:自分逆にそれって強みだなって。
伯爵:ノンフィクション出てから強みになったのかなって実感しましたけど、それまではもうコンプレックスでしかなくて!お客様に「老いていく俺を見るな」って言ってたぐらい、本当に周りが若い子ばっかりだったんで。
☆:30歳超えてたりとか28歳以降になると、年数と年齢を隠す方が多くなりますよね。
逢坂:何だろう。俺らみたいに年齢が突き抜けてると気にしないんだろうけど、中途半端だとね。
☆:一番悩む時期ですよね…。
伯爵:多分僕がノンフィクション出たおかげなのか、わからないですけど、年齢出す人増えたっすね。
逢坂:自分41歳でホスト現役で戻ってるんですけど、一回ね。それで39歳で会社を潰してから海外にずっと住んで。シンガポールにずっと住んでたんですけど、リーマンショックで会社を潰しちゃって。もう自殺しようかなって。借金莫大になって…その後、仲良いやつにウチ来て住んでくださいよ!メシ食わせますよ!っていわれて、もう一回ホスト頑張ろうかなと。一文無しで家もなくて何をしたらいいんだと考えた時にホストっていう選択肢があって、ホストクラブに電話したんですよ。
伯爵:歌舞伎町ですか?
逢坂:そうです、実際に電話してみたら100件ぐらい断られまして。
伯爵:経験はありましたもんね?
逢坂:経験はありました。でも「もしもし募集してますか?」ってホスホスの求人見て電話して「あの41歳なんですけど」「すみません40代の方は…ブチッ」
伯爵:それが何年前ですか?
逢坂:それが8年前。
伯爵:そうっすよね、8年前40代のホストなんていなかったんで(笑)
☆:先程ホストをされてなかった時期があるとお伺いしたのですが、そのあいだホスト業界とのコネクションなどはありましたか?
逢坂:ない!全然ないですね。今はもうないんですけど、たまたま錦糸町の某店に電話したら「面接に来てください」と言われまして。
伯爵:へぇーそれで錦糸町だったんですね。プロフィール見たっす。どうして錦糸町なんだろう?と疑問でしたね(笑)
逢坂:歌舞伎町全部断られたっす。電話で。それで錦糸町のホストクラブに入って、撮影で歌舞伎町に来た時にスカウトされて「俺歌舞伎町まあまあ断られたけど、雇ってくれんの?」と。
伯爵:電話口だけだとだめなんですかね?
逢坂:そうなのかもね。それでRグループに入って、それこそ20歳過ぎぐらいの子ばっかりだったけどその中ですぐナンバー入って。翌月No.2でこんな簡単なんやなと、こんな面白ろないし!って言ってそのままGグループに。ホスホスにナンバーとか載ってるでしょ!「今某店にいるんですけど」と伝えると、向こうはホスホスチェックするじゃないですか。そうすると「ぜひ面接来てください」ってな流れでGグループに入ったんですよ。
伯爵:すごいっすねぇ。
逢坂:いやでも大変でしたよ、売掛飛ばれたり。一人暮らしで自力で病院行ったりとか。4年半ぐらいいたんですけど、最初の1年半はきつかったですね。No.10入ったり入らなかったり、初めてNo.1になったのが入って2年目。
伯爵:Gグループに行く勇気は僕なかったですね。
逢坂:いや絶対入ってたら面白かった(笑)多分見てると思うんですけど、Gグループの記事。Rさんの現役の時に被ってないんですよ。自分らの頃って、ホストってアングラなものなんで、表に出ない。出ても深夜番組ぐらい。自分がその現役の時にあったキタノチャンネル!CSの。アングラな方達が出演している番組で、「彼女が働く理由」っていうのでモザイクで俺出たんですよ!その頃のホストって…。
伯爵:ブラックに近いですよね、グレーゾーンっていうか。
逢坂:そうそう。
伯爵:当時の扱いがね。
逢坂:それこそうちのオーナーの京介さんとか、RさんとかYさんとかね。そこらへんの方達がテレビに出るようになって、ホストがどんどん認知されていくみたいな。
伯爵:金スマ出てましたよね?俺、金スマ見てました。
逢坂:さっき言ったオーナーね。
伯爵:俺はその金スマを見てる側だった。すげーなこの人って思ってました。
逢坂:だって若いでしょその時?
伯爵:僕は22〜23歳ですね。うちの『ロミオ』の会長が、多分それ出てたんで、ハモホスっていうネプチューンの番組に。
逢坂:あーはいはい!
伯爵:それをパロって金スマでやったんですよ!その番組でうちの会長のロミオがビリになって坊主にするっていう(笑)なんか演出で決めてたらしいですよ!その後のシナリオは分からないですけど。
☆:小学校上がるか上がらないかでその番組見てないですね…。
伯爵:20年前は確実なんで。
☆:じゃあ私が小学生に上がるかどうかですね。
伯爵:そこらへんからちょっと、ホストが明るい方になっていった。Jくんが同期ぐらいです。
逢坂:RさんがA店からI店に戻ってきた時、Rさんに一回も負けたことない。
伯爵:俺一回、I店行ってるっす。同業でI店に行って挨拶しましたよ。
逢坂:じゃあその時いる!
伯爵:でもお会いしてないですね…。その時にRさんとかは結構もう知ってたんで、Rさん着いて下さってGくんもいた。
逢坂:あーGね。
伯爵:Gくんがずっと着いてました。
逢坂:あいつうるさいから、あいつ着いてると俺あんまり着かない(笑)うるさいんだもん(笑)
伯爵:ずーっと喋ってる(笑)
逢坂:いつ辞めるんですか?いつ辞めるんですか?って剣さんがいるとNo.1になれないんですけどって(笑)
伯爵:Gくん面白いですね(笑)
逢坂:面白い面白い。
伯爵:同業からするとめちゃくちゃ面白いしかないんで。
☆:ちなみに、今回お2人は直接お会いするの自体が初めてですもんね。
逢坂&伯爵:初めてです。
☆:ホスト歴でいったら20年以上ですか?
伯爵:22〜23年ぐらいですかね。
逢坂:僕は約32年前に「いらっしゃいませ」ってホストを始めて。その後、経営に回って。
伯爵:ホスト歴めちゃくちゃ先輩ですね、10年ぐらい先輩ですね。
逢坂:1992年からずっとホスト、その後は経営の方に回ってミナミの方でずっとホストクラブ経営を。六本木でも経営してました。
伯爵:六本木でもやってたんですか?
逢坂:六本木のB店ってお店をね。当時は色々あって、ここは全カットで(笑)
伯爵:六本木はお店がすぐ無くなリますよね。新しく出来るんすけど。Aグループも確か出店してた気がします。
☆:六本木でホストクラブに通われる方っていらっしゃるんですか?
逢坂:いますいます。逆に六本木でやってた時って、歌舞伎町のこと見下してたっす!主なお客さんが、六本木と銀座のクラブの子達。男性のお客さんを連れてくるんで、お金めちゃくちゃ使うんですよ。
伯爵:そうですよね。男性客ゲットしちゃえば。
逢坂:ちなみに僕がI店にいた時は、☆さんはすでにホスホスに入社してたんですか?
☆:はい、ちょっと飲みに行ったりもしてました。
逢坂:まじっすか(笑)
☆:友達に面白いよって連れて行かれて、その時に剣さんいらっしゃったかもしれないです(笑)
逢坂:その時出勤遅くて、たしか22時ぐらいかな。
伯爵:なるほど!ナンバー出勤(笑)だから俺がI店に同業に行った時もいらっしゃらなかったのかもしれないです。多分早い時間に行ってるんで。
☆:早い時間いらっしゃらないですよね、有名な方だと(笑)面白いネタをたくさんお話しいただいて…(笑)
逢坂:いっぱいありますよ(笑)それこそ、我々の若い時代のホスト。いわゆる昔のホストってどうなんだっていう違い。エスケンっていうキャッチのチケットがあって、「お客さん連れて来るまで帰ってくるな」と。今、営業時間って風営法があるので1時きっちりに終わるじゃないですか。
伯爵:そうですね、1日いくらの売上が行かないと、終わらない…。
☆:え…。
伯爵:潰れたら、しゃあないよねって片付けられて。その辺に転がってましたもん、まじで。仕事だから起こしてねって言って、店内で寝てた(笑)
☆:皆さんそういった感じだったんですか?
逢坂&伯爵:大体そうだったかもしれないね。
伯爵:終わりがない…。
逢坂&伯爵:(苦笑)
逢坂:本当にあの頃のホストはブラックですよね。あと日給も安かったしね。
伯爵:俺は0円でしたね(笑)
逢坂:自分は初めてホスト始めた所は2000円だったんですよ。日給2000円(笑)
伯爵:いいっすね(笑)
逢坂:ヘルプで呼ばれるまで、入り口で立ってるんですよ。早い時間から掃除やって、入り口に指名本数と売上がグラフで貼ってあって。
伯爵:へぇー、もう結果が全部丸見えなんですね。
逢坂:だから今のホストっていいなって思いますよ。日給もまぁまぁ貰えるし。
伯爵:遅刻せずにタイムカード押したら日給貰えて、10何万円貰えるんで。俺0円だったんで(笑)
逢坂:キャッチしなきゃいけないんでしょ?
伯爵:キャッチで日給稼いでたんですよ。
☆:歴が長い方が強いですよね。
逢坂:多分メンタルが強い、根性があるっていうか。
伯爵:食っていかなきゃいけないから。昔は初回5000円とかで、2人入れちゃえば1万円。半分バックとかだったんで、日給5000円なんですよ2人入れちゃえば。日給0円で帰るか、キャッチして日給貰うか。なので当然キャッチしますよね!営業中でも、暑かろうが寒かろうが(笑)
☆:ホストクラブでも入店してすぐの方が、翌月には退店してしまうと耳にしたことがあります。
逢坂:入ってすぐの月ならいいけど、営業中に「タバコ買いに行ってきます」って言って帰って来ないやつがまぁまぁ(笑)
伯爵:買い出しのお金そのまま持って飛ぶとか、その日に。
☆:多いんですか?
逢坂:いますいます。
☆:すごいですね、そんな時代が(笑)
逢坂:そんな時代だったんです(笑)
☆:差が面白いですね、前のホストと今のホストと。
逢坂:なんかもう全然今は超ホワイト。
☆:ちゃんと企業化してますもんね、ホストクラブが。
伯爵:そうっすね、ちゃんと確定申告行ってますし。
☆:偉いですね(笑)
逢坂:本当に企業ですよね、一つの企業。スキームというかシステムがもう出来上がってて、プロデューサーさんとか上の人がセミナーとかやってて「売上を上げるためにこういう風にすれば売れるよ」って。その当時なんて「気合いと根性で」みたいなそんな感じ(笑)
伯爵:確かに(笑)
☆:体育会系ですね。
逢坂:だから今なんか殴られたらすぐ殴られたとか言いますけど、殴られるのとか喧嘩なんかしょっちゅうでした。
伯爵:僕はバンドマンだったんですけど、僕の先輩はヤンキーしかいなかったです(笑)
☆:ヤンキーとか不良ってかっこいいですよね。
伯爵:でも違うんすよね、種類が。ヤンキーでも種類違うんですよね。しっかり筋通ったヤンキーとかなんですよ。逆に今、陰湿なヤンキーとか多いじゃないですか(笑)
逢坂:半グレみたいな?(笑)
伯爵:そうっす!半グレみたいな(笑)なんでかっこいいヤンキーは多かったですね、先輩とか。
逢坂:もうめっちゃきついし、怒るし…ただ筋が通ってる。ダメなことはダメって言うし。その代わりちゃんと面倒を見てくれる。先輩が飯を食いに連れて行くとか、使わなくなったアクセサリーとか服とかを後輩に譲るとか。そういうのって当たり前にあったし。
☆:いいですね、本当に部活みたいですね。
逢坂:本当に部活!だからそれが楽しくて!2018年に現役を上がって、昼職で美容系のお仕事をしてるんですけど、女性が多いですよね。仕事が終わったらお疲れ様ですって言って、飯行ったりとか飲みに行ったりとかたまにするけども…。でもホストクラブって社員旅行とか、営業終わってみんなで男飲みとか!普通に男子校の部活のノリっていうか、そういうのでめちゃめちゃ楽しいんですよ!だからやっぱりホストって楽しかったなとか。
伯爵:確かにそうですね。
逢坂:それでまたこの業界に戻って来たんで。
伯爵:僕が店やってた時なんてサークルの延長上みたいな店だったんで、もう店って呼べるか分かんないような勢いで開いちゃった(笑)当時のホスホスの担当の人と一緒にお店の名前考えて(笑)
逢坂:へぇーそうなんだ。
伯爵:今はもういないんですけど、ホスホスの当時担当してくれてた方がアドバイスをくれて。僕が「きみにあいたくて」って曲が好きだったんで、お店の名前を「きみにあいたくて」にしますって言ったら、その人が「ア行」にした方がいいんで「あいたくてきみに」にしましょうっ!て言って(笑)「ア行」だったら上の方に来るから、アクセス数が増える。蓋を開けたら「伯爵」がいるっていう(笑)
逢坂:それだったら自分も源氏名の苗字は、「おおさか」って書いて「あいさか」って読むんですけど、「あいさか けん」で「ア行」と「カ行」しかないんで名前で検索すると一番上に出るんですよ(笑)
☆:考えられてますね(笑)
伯爵:そういえば僕当時、ホスホスのアクセスランキング上位に入ってました。
逢坂:自分もホスホスのアクセスランキング、全国1位になりました。
☆:地域別ではなくて、全国はすごいですね。
伯爵:自分もその時は、ホスホスのカレンダーに載せて貰いましたね。たしか2012年かな?
☆:そういった取り組みがあったんですね。カレンダーは毎月撮っていたんですか?
伯爵:年間のアクセス数上位だった20人!歌舞伎町20人・大阪20人。2012年ホスホスアクセスランキングで、歌舞伎町の20人に入りました。2012年のカレンダーで新春プレゼントみたいな感じだったかな。2011年かな?アクセスランキング1位。無名の店だったのに、「ア行」のおかげでか(笑)
逢坂:でもメディアの力ってすごいなって思います。様々な有名なお店がある中で当時在籍していたお店は、どっちかっていうとあんまり有名じゃなかったんです。
伯爵:お店は新しかったんですか?
逢坂:そうですね。でもRさん・Nさんっていう方達がレジェンドでいらっしゃって。自分がメディアに出るようになって、ホストがクローズアップされて。TVに出るとやっぱり知名度って上がりますよね。
伯爵:全然上がりますよね!今、自分は男性ファンが多いっすね(笑)
逢坂:いいじゃないですか〜。
伯爵:男性の方が多いです!道歩いてても「伯爵だよね?」って声かけられて。結構ヤカラ系が多いっす(笑)TVに出た時はドン底から這い上がってるって物語なんで、ヤカラ系とかアスリートとか。プロ野球選手とかからもDM来たりもします。男性に「おぉちょっと写真撮ろうぜ!」って声を掛けられたりとか、指名で来ていただいたりしますね。
逢坂:それはめちゃめちゃいいじゃないですか。
☆:本当にすごいですね。ちなみにお2人がホストになろうと思ったきっかけや、エピソードについてお伺いしてもよろしいでしょうか?
逢坂:俺は中学から家出とかしょっちゅうしてたんで。その当時ミナミのバブルの頃、みんなイケイケでディスコとかそういうのが流行ってる頃!家出の度に女の子の家を渡り歩いてた中の1人が「ホスト絶対やった方がいいよ!」って言われたのがきっかけかな?それで興味を持って色々調べて。
伯爵:女の子発信が多いですね。後輩とかはヒモ状態からの「ホストやりなよ、私行ってる店紹介するから」っていう下りが多かったですね。ちなみに俺がホスト始めたきっかけは、めちゃくちゃカッコいいんですけど(笑)
逢坂:聞きたい聞きたい(笑)
伯爵:これすげーメディアで言ってるんですけど、あんまり出てないんですよね(笑)ある1人の女の子がきっかけで始めました。その子、ホストに騙されてたんですよ!今でいう本営みたいな感じで、自殺未遂をしまくってて…。グループ交際で男女で家で集まって宅飲みとかする明るい女の子の1人だったんですよ。彼女とかじゃなく。その子が自殺未遂とかしちゃってて。そういうのやる子じゃなかったのに。ある時泣きながら電話がかかって来て、「私、相談あるんだけど」って。詳しく聞いたら、キャバクラが終わった後にホストクラブで飲んでストレス解消してたみたい。でも騙されて自殺未遂とかしちゃう自分がいる、だからその男の人とは別れたい…どうしよう。と相談されて。「じゃあ俺ホストやるわ、俺の店来い」って言って。それがきっかけです。なんかちょっとカッコイイっすね(笑)説明下手くそだったんですけど(笑)
逢坂:その女の子のためにってことですよね。
伯爵:その女の子のために。でも彼女とかでもないし、色恋沙汰もなかったし。自分も色々と助けられたりとかあったんで、ホストやる前から。その子のためにホストやってるような。当時バンドでツアーをやってたんで、バンドやりながらホストを始めました。
逢坂:バンド何系やってたんですか?
伯爵:若干ソフトなビジュアル系。シドとか同期なんですよ。ツアーもあるのでお金必要だな。でも休みを自由に取れた方がいいなって思って。結構緩いお店でした最初は。ライブやるんだったら休み取っていいよ!みたいなお店だったんで。少し売れてからいい給料貰えるなと思って(笑)ホストを辞められず。そこからずっとホスト人生ですね。でもその間にシドがメジャーデビューしたけど、俺はメジャーに行けず。本当に対バンとかしてたんで悔しかった。自分の店がダメになった時に、シドが武道館立ってて…。おいおいおい、俺何してんねんと!実はマオくんは俺と同い年で、がっつり同期なんですよ。
- 生涯現役で、ホストでありたい。
☆:お2人のホスホスプロフィール欄のコメントに対してお伺いしたいです。まず伯爵さんから。「歳をとったからプレイヤーでなくなるのではなく、プレイヤーでなくなるから歳をとる」というコメントについてなんですが。
伯爵:「生涯現役だよ」って言葉を伝えたくて。そのコメントをプロフィールに載せました。周りの色々な人に見られてないとキツくないですか?俺の周りの同級生とかもハゲ散らかってたりとか…。
☆:同窓会とか20代の時とは違いますよね。
伯爵:表に立ってないと、やっぱり年取るのも早いんじゃないかと。
逢坂:じゃあこれから俺、老けていくんですかね?(笑)
伯爵:どうなんですかね(笑)でも内勤さんも見られてはいるじゃないですか!内勤さん誘われたことはあったんですよ。言葉悪く聞こえたらあれなんですけど、内勤やるぐらいだったら俺辞めてしまおうと思って…。内勤さんってすげー大変じゃないですか。そのリスペクトもあるんですけど、僕はプレイヤー気質なんで。内勤さんやる自信がないっていうのもあるし、「生涯現役」でいたいなっていう。
逢坂:いやそれはわかりますよ!僕もどっちかっていうと現場の方が楽しいし、酒も好きだし、女の子も好きだし。稼げるのも現役の方が稼げるし。そういう部分では共感出来るのはすごいある。でも今、昼もやってるんで中途半端に出来ない。中途半端にプレイヤーをやったら、周りの本気でやってる人達に失礼だからっていうのはあります。
伯爵:ナンバー取って来た方の言葉なんでね、重いですね。
逢坂:やっぱりこれだけ店舗数があって、これだけの数のホストがいて。よく相談されたりするのが、「どうやったらお客さん来てくれるんですかね?」って相談されたりするじゃないですか。そういう時は「お客様へのレスポンスがすごい大事」っていうのを答えていたかな。このお店だけ初回来てると思ったら大間違い。他に何店舗も何十店舗も初回行ってて、LINEにホストの名前なんて腐るほど入ってるよ。みんなに同じことを言ってたとしたら、それに対して誰を選ぶかって言ったら…。ぶっちゃけ見た目なんて二の次なんで、一番最初に返信来た所に返すから!ってね。
伯爵:タイミング・フィーリング・ハプニングですよね。
逢坂:そうそうそう(笑)昔よく言ってたよね(笑)
伯爵:まじでタイミング大事だなって思いますよ(笑)芸人さんとかコラボすること多いんであれなんですけど、返信めっちゃ早い人の方が売れてるんですよね。さらば青春の森田さんなんて、秒で返信返ってくる。多分今LINEしたら、2分後ぐらいに返ってくる。そういう人の方が売れるし、プレイヤーでいる限りはそういうことしなきゃいけないなって。
逢坂:だからこそ、中途半端にプレイヤーは出来ないなって。年数が経てば経つほど、やっぱりこの業界って変わってくるし。もう昨日のことは今日通用しなくなったりとかする世界なんで。その中でもっと売れるための手伝いをしたりとか、教えられる事があるのかなって。
伯爵:さすがっす!俺は未だに抗いたいんで(笑)
逢坂:自分のホスホスのプロフィールで書いてるのが、「記録より記憶に残るホスト」。記録って例えば自分達って当時、1億円ってすごいな!1000万プレイヤーってすごいな!って言われてましたよね。今は店も3000万円も4000万円も当たり前になってるじゃないですか。ホストの売上がインフレしてきていて、記録って段々変わってきているよね。少し前だったら1000万円・100本すごいって言われてたのが、今は大したことないよね。って言われるようなご時世じゃないですか。でも「あの人すごかった」って言われる人って、実際数字がそうでもなくても「すごい!」って言われるじゃないですか。
☆:今でも名前がずっと出てくるホストさんとかですかね?
逢坂:そうそう。だからそういう所かな。
伯爵:そうっすね。だから当時ドンペリがほんと4万とかだったっすもんね。3万5000円とか4万円だったんで。今のお店で言ったら18万とかなんで、ドンペリ白が4〜5倍ぐらいになってますよね。
逢坂:TAXを入れたらもっとっすね。
伯爵:今の1000万って、昔のいくらっすか?何百万円が同じぐらい?
逢坂:250万円ね。
伯爵:同じ物入れるとしたら、250万円ってことっすね(笑)だから当時の250万円ってすごいなって思ったし、当時500万〜600万売れてる人っていやすっげぇ売れてるな!って思ってたし。
逢坂:いやもう500万売ったらすごかった。
伯爵:そのへんの体感が、今の子達に言っても数字わかんないんで。大したことないじゃんって言われる(笑)
☆:記録よりも記憶の方が強いですよね。そのために意識していたことは何かありましたか?
逢坂:当時よく初回でやってたこと。その時No.1やってたので調子こいてた部分もあったんで、「ちょっと時間ないので名刺だけいいですか?」って言って置いてったら、この人誰?って調べるじゃないですか。みんな女の子とかってホスホスとかですぐ調べて、「あ、No.1の人だ!」みたいな。そういう風に印象付けっていうか。初回とかもそうだし人との出会いってフィーリングじゃないですか。大体もう3秒でその人の印象が決まるって言うんで。
伯爵:タイミング・フィーリング・ハプニングですね(笑)
逢坂:そうそうそう(笑)
伯爵:ぶっちゃけ5分から、長くて10分ぐらいですよね初回の時間ってね。やっぱり爪痕残すのってめちゃくちゃ難しいんで。だったら印象やインパクトを与えた方が。
逢坂:それも10人も20人もつくわけじゃないですか。今内勤になって初めてわかることがあるんですけど、【送り】聞きに行った時に「えー覚えてない、これ誰だっけ?」っていうのがめちゃめちゃあって。
伯爵:めちゃめちゃ多いですよね。僕が名刺を【写真】にしてる理由はそれっす、覚えてないって言わせないために(笑)
☆:そうですよね。記憶に残ってるホストさんを何人かピックアップして、覚えてる方達の中で特に良いなと思った方を、送り指名にすると耳にしたことがあります!
伯爵:でしょ?だから良かった・よくないより、覚えてるか・覚えてないか。初回はとにかく回転が早いんで。
☆:印象付けは大事ですよね。
逢坂:そうなんですよ。
伯爵:さっきの” タイミング ”で言ったら、ノンフィクションのディレクターはたまたま出逢ったんですよ。向こうからオファー来たわけじゃなくて、街中で横で飲んでるおっちゃんに話しかけたら、ノンフィクションのディレクターで。
逢坂:えーそうなんだ!タイミングで?
伯爵:39歳のタイミングで(笑)39歳でどん底の売上ぐらいだったから、もうホストを辞めようかなと思ってた。バンドのみんなと飲んでたんだけど、みんな飲み終わってから帰っちゃって。俺1人飲み足りなくて飲んでたら、横におっちゃんがいて「ちょっと聞いてくださいよ」って話しかけたんですよ(笑)
逢坂:えー(笑)
伯爵:「もうホスト辞めるか辞めないか悩んでて、昔No.1だったんですよ。」って管巻いてたら、「お前の人生面白いじゃん、撮らせてくれ。」って言われて(笑)ベロベロだったんですけどLINE交換したら、ノンフィクションのディレクターで。
逢坂:まじか、すごいな(笑)
伯爵:本当にタイミング的に(笑)そこで話しかけてなかったら、今頃ここに存在してないんで。
逢坂:もしその時にノンフィクション出てなかったら、今何やってたの?
伯爵:今…何ですかね?全く考えてなかったですね。でもどん底だったんで。もう、本当にちょっと死のうかなぐらいの(笑)過去の栄光に縋って生きてる自分しかいなかったんで。黒歴史過ぎてあんまり覚えてないんですよ、その当時の1〜2年の記憶って。まじどん底だったんで…。ホスホスさんとかにも特集してもらったりとか、その過去の栄光を抱えながらの30代後半になってたら、何もオファー来なくなってるし…。ずっとホスホスさんがお店に来た時言ってるんですよ!「もう俺、賞味期限切れますよ」って(笑)
逢坂:(笑)
伯爵:なので、今回の企画のオファーは嬉しかったですね。
逢坂:俺内勤だけど、大丈夫?って思わず聞いちゃいました(笑)
- プレイヤーから内勤になって大変だったこと。
☆:内勤さんに移ったのは今年ですよね?
逢坂:そうです。
☆:今年の何月頃からですか?
逢坂:えーっと。今年の3月、4月とかそれぐらいですね。
☆:じゃあ半年ぐらいですね。
逢坂:そうですね。
☆:プレイヤーから内勤さんになって、大変なことはどんなことですか?
逢坂:いやもう大変なことだらけですよ(笑)100%の正解って本当になくて。例えば自分の行動の一つひとつが。キャストA・キャストB・キャストCに同じことをやっても「ありがとうございます」って言う人もいれば、それに対して反発をしてくる人もいるし。
伯爵:響かない子には響かないんですね。同じ説明をしても。
逢坂:例えばうちで言うと、僕は他の内勤の人達よりもどっちかって言うと、プレーヤーに寄り添った形で出来ると思うんですよね。自分がプレーヤーも長くやってたし、それなりに売ってきたっていうのがあるから。だから「こうした方がいいんじゃないかな」って部分って絶対あるじゃないですか。そういう部分を「何でお前に言われないといけないんだよ!」じゃないけど…。そういう部分が響かないと、悲しくなったりとかはありますよね。
伯爵:響かないと悲しいですよね。
逢坂:それに対して「本当にありがとうございます」って言ってくれたりとか、内勤になっても相談してくれる人ってやっぱり幹部だったりとか。売上が上位だったりとかするんですよね。
伯爵:内勤さんでも人間なんで、「ありがとうございます」って言われたらやっぱりその子可愛いなと思っちゃいますよね(笑)
逢坂:そうですね(笑)未経験とかで新人賞取って1ヶ月目で1000万円売った子とか、帰る時にいつも「剣さん、今日はありがとうございます。」って言ってくれるんですよ。やっぱり売れる理由わかるわ!と思う。
伯爵:本当に気配りですよね。気を使ってるのと、気がきくのってやっぱり違うんで。気を使ってるってよりも「気がきく」方がいいと思うんですよ。多分その子たちは教えられてないんですよね。
逢坂:そういう子って別にホストじゃなくても、他の仕事やっても売れるんじゃないかなと。
伯爵:何でも成功するでしょうね。ホストは学歴じゃないんで。コミュニケーション能力だったりとか、挨拶とかってめっちゃ大事だと思うんですよ。それこそレスを早く返したりとか、対応で変わるんじゃないかと。
逢坂:ぶっちゃけホストクラブのNo.1で、「えっ?!」ってなるようなNo.1も結構いたりするじゃないですか。
伯爵:話してて面白いか、連絡がめっちゃマメか。同期で本担と呼ばれるホストがいて、友達なんですけど顔あんまりカッコよくないんですよ(笑)自分でも言ってるぐらい(笑)ただのおっちゃんみたいな顔してるのに売上あげてて。でも女の子がその友達にずっとお金を使ってるのは何でだろう?って思って聞いたら「めっちゃマメで、めっちゃ優しくて」って。
☆:そういう人が売れるんですね。
伯爵:そういう入り口はあると思うんですよね。
逢坂:最低限の清潔感であったりとか、外で同伴とかアフターでもそうだけど。最低限、隣歩いて恥ずかしくないぐらいのレベルにしとけば、後は気持ちっていうかハートっていうか。
伯爵:そうですね。
逢坂:いかに寄り添えるか、っていう部分だと思う。だから全力で好きになって貰えるように努力する。
伯爵:僕で言ったらどっちかって言うとプレイヤー気質なんですけど、中身ポンコツなんで。
逢坂:(笑)
伯爵:お店では100%楽しませられるけど。それはヘルプの子もいるし、自分のステージだし。ただあんまりアフターはしないですね。店外でポンコツな部分がめくれちゃうとまずいんで(笑)酔っ払うと余計にポンコツなんで(笑)24時間ホストでいたいし、失敗したことが多々あるんで(笑)
☆:大体の方は、酔ってしまったら制御できないですもんね。
逢坂:僕はアフターはご飯だけが多いかな。どっちかって言うと休みの日は店外で。普段歌舞伎町の中で過ごしてるから、それこそお台場行ったりとか、横浜中華街に行こうとかっていう感じで(歌舞伎町の)外に出る。
伯爵:その方が絶対失敗しないですよね。俺、店外あんまり求められないんですよね。「忙しいんでしょ?どうせ。」って。俺から誘っても「いい大丈夫、気を使わなくて。」って言われますね。
☆:今後プレイヤーに戻りたいという気持ちはありますか?
逢坂:本気でプレイヤーをやれる環境になったらやるかな。夜一択でやれるようになるんであれば、全然まだ俺自信あるし。
伯爵:まだまだ現役の香りがすごいっすよ(笑)そのへん感じるんで、ホストとしてすげー先輩だなって。
逢坂:虎視眈々と売ってみようかな(笑)内勤やりながらNo.1とか面白いなと(笑)
伯爵:わかるっす。それカッコいいっすね。じゃあ俺、今度相談して良いですか(笑)
☆:今日の対談で相談相手が、成立しましたね(笑)
伯爵:いいでしょう(笑)自分より先輩なんで(笑)
☆:お2人とも長く歌舞伎町にいて、今回初めてお会いしたというのが面白かったですね。
逢坂:すれ違ったりとか、お客さんが実は、とかはあると思うんですけど。
伯爵:いるかもしれないですね、実は誰々ちゃんがお互い指名してたとかね。
- 最後にホスホスの読者様に向けて、お2人からメッセージをお願いします!
伯爵:僕的には頑張ってるおじさんまだいるんで、肉ばっか食ってても疲れちゃうんでね、たまには野菜を食べに来てね(笑)旦那様がいたり彼氏がいるお客様も多いので、気楽に来てもらえたらと。騙されちゃうとかで悩んでる方とか、おじホスの余裕とか魅力を伝えられたら良いなと。
逢坂:本当に一種のアミューズメントだからね。昔は夜飲みに行くって行ったら、男性がスナックとかクラブとかキャバレーとかに飲みに行くっていうのが主流。女性が飲みに行くっていうとイメージが悪かったのが、今は男女平等で女性もバリバリ働いてたりとか。ホストクラブってちゃんとした楽しみ方をしたら、こんなに良いアミューズメントってないんじゃないかな!と。
伯爵:癒しを求めに来て欲しいのに、病んでる子達が多いので…。今のご時世だからか、余計にそれが悲しくて。俺は営業方針を昔から変えてないんですけど、やっぱり癒されに来て欲しいって言うのが本当にありますね。
逢坂:あとはストレス解消であったりとか、楽しみに来て欲しいなって。自分のお客様とかも、忘年会や誕生日会で使ってくれたりとかで、来てくれたりしますね。
伯爵:そうっすね。変に気を使わずに、もっと気楽に来てくれたら良いなって思いますね。ちなみに僕のお客様は、主婦層が多いです。
逢坂:あ、そうなんすか?
伯爵:僕よりも年上だったり、同世代のお客様が多いです。
逢坂:自分逆に若い子の方が多くて。
伯爵:若い子もいるんですけど、圧倒的にノンフィクションの影響かなと(笑)
- エルコレは今かなり勢いがあって、業界で様々な取り組みをおこなっているグループです。この記事を見たと言っていただければ、『ガイ』にて初回60分無料でご案内します。(オーナー、社長、専務の許可なしwww)(逢坂 剣さん)
新たに自身を開拓し道を切り開いていくお2方の姿を、ほんの一部ではございますがご紹介出来たのではと存じます☆
この度はお忙しい中、取材・撮影にご協力下さり誠にありがとうございました!!
同世代の皆様、ぜひ一度お2方とお酒を酌み交わしてみてはいかがでしょうか♪
―取材協力
『エルズコレクショングループ ガイ』様
『エルズコレクショングループ ハムレット』様
柏原勝哉 伯爵
逢坂 剣さん
―撮影
su(新宿本社スタッフ)
―取材
☆(新宿本社スタッフ)
―企画&編集
A→★/TOM.T(新宿本社スタッフ)
昭和から令和の現在まで様々な苦悩を乗り越え、ホストという職業を歩んできた同世代のお2人に、対談を兼ねたインタビューをさせていただきましたのでどうぞご覧ください♪
- 柏原勝哉 伯爵『ハムレット』
2000年 ホストデビュー
2004年 代表就任
2006年 自分のお店を持つ
2007年 某グランプリ「熱狂的ファンナンバー1賞」受賞
2017年 ザ・ノンフィクション「追い込まれた男」
2019年 アウト×デラックス、ザ・ノンフィクション「もう一度、輝きたくて…」、 BSフジ特別編『返り咲いた男』
2019年 「Club ROMEO」にて No.1に返り咲く。
- 逢坂 剣さん『ガイ』
1990年 大阪・ミナミのホストクラブにてホストデビュー、No.1を獲得。
1991年 名古屋・栄のホストクラブへ入店。
1992年 東京へ上京し、スカウトを経験後、某ホストクラブへ。
1993年〜2013年 大阪・ミナミや、六本木でホストクラブ経営や、自身の会社を経営。
2014年 41歳からホストに復帰し、錦糸町のホストクラブを経て、歌舞伎町某有名グループのホストクラブへ入店。
2018年 グループ年間No.1を獲得し、最年長ランカーとなる。
(以下、敬称略)
- 昔のホストと今のホストの違い。
☆:「過去の経歴・実績」はこちらで合ってますでしょうか?
伯爵:はい。ただ生まれたのは埼玉なんですけど転勤をしてるので、出身地の設定は「Sexy星」になってます。
(一同爆笑)
伯爵:埼玉詳しい人に突っ込まれても俺わかんないんで(笑)
逢坂:あるあるですよ。自分も大阪生まれ、大阪育ちなんですけど。そっから奈良県の方に引っ越して、実家に帰るのに迷子になって。16歳…高校中退でフラフラしてるうちに、実家が引っ越して場所がわからなくなって(笑)
伯爵:実家が勝手に引っ越してたんですか?(笑)
逢坂:はい!なので、未だに迷子になります!実家に帰るのに(笑)
伯爵:今俺も埼玉じゃないんですよ!実家の親が定年して山形に行って、ややこしいんですよ。だから説明は表向きにね「Sexy星」って言った方が「変わってるね」で終わる(笑)ただノンフィクションに出ちゃったんで「Sexy星」って言ってると、ちょっと痛いなっていう(笑)全部さらけ出されてるの(笑)年齢も隠してたんですよ。昔コンプレックスだったんで。
☆:そうですよね、隠してましたよね。
逢坂:上(年齢)っていうのがコンプレックス?
伯爵:上っていうのがコンプレックス。やっぱり僕が働いてる店は若い子ばっかりだったんで。
逢坂:自分逆にそれって強みだなって。
伯爵:ノンフィクション出てから強みになったのかなって実感しましたけど、それまではもうコンプレックスでしかなくて!お客様に「老いていく俺を見るな」って言ってたぐらい、本当に周りが若い子ばっかりだったんで。
☆:30歳超えてたりとか28歳以降になると、年数と年齢を隠す方が多くなりますよね。
逢坂:何だろう。俺らみたいに年齢が突き抜けてると気にしないんだろうけど、中途半端だとね。
☆:一番悩む時期ですよね…。
伯爵:多分僕がノンフィクション出たおかげなのか、わからないですけど、年齢出す人増えたっすね。
逢坂:自分41歳でホスト現役で戻ってるんですけど、一回ね。それで39歳で会社を潰してから海外にずっと住んで。シンガポールにずっと住んでたんですけど、リーマンショックで会社を潰しちゃって。もう自殺しようかなって。借金莫大になって…その後、仲良いやつにウチ来て住んでくださいよ!メシ食わせますよ!っていわれて、もう一回ホスト頑張ろうかなと。一文無しで家もなくて何をしたらいいんだと考えた時にホストっていう選択肢があって、ホストクラブに電話したんですよ。
伯爵:歌舞伎町ですか?
逢坂:そうです、実際に電話してみたら100件ぐらい断られまして。
伯爵:経験はありましたもんね?
逢坂:経験はありました。でも「もしもし募集してますか?」ってホスホスの求人見て電話して「あの41歳なんですけど」「すみません40代の方は…ブチッ」
伯爵:それが何年前ですか?
逢坂:それが8年前。
伯爵:そうっすよね、8年前40代のホストなんていなかったんで(笑)
☆:先程ホストをされてなかった時期があるとお伺いしたのですが、そのあいだホスト業界とのコネクションなどはありましたか?
逢坂:ない!全然ないですね。今はもうないんですけど、たまたま錦糸町の某店に電話したら「面接に来てください」と言われまして。
伯爵:へぇーそれで錦糸町だったんですね。プロフィール見たっす。どうして錦糸町なんだろう?と疑問でしたね(笑)
逢坂:歌舞伎町全部断られたっす。電話で。それで錦糸町のホストクラブに入って、撮影で歌舞伎町に来た時にスカウトされて「俺歌舞伎町まあまあ断られたけど、雇ってくれんの?」と。
伯爵:電話口だけだとだめなんですかね?
逢坂:そうなのかもね。それでRグループに入って、それこそ20歳過ぎぐらいの子ばっかりだったけどその中ですぐナンバー入って。翌月No.2でこんな簡単なんやなと、こんな面白ろないし!って言ってそのままGグループに。ホスホスにナンバーとか載ってるでしょ!「今某店にいるんですけど」と伝えると、向こうはホスホスチェックするじゃないですか。そうすると「ぜひ面接来てください」ってな流れでGグループに入ったんですよ。
伯爵:すごいっすねぇ。
逢坂:いやでも大変でしたよ、売掛飛ばれたり。一人暮らしで自力で病院行ったりとか。4年半ぐらいいたんですけど、最初の1年半はきつかったですね。No.10入ったり入らなかったり、初めてNo.1になったのが入って2年目。
伯爵:Gグループに行く勇気は僕なかったですね。
逢坂:いや絶対入ってたら面白かった(笑)多分見てると思うんですけど、Gグループの記事。Rさんの現役の時に被ってないんですよ。自分らの頃って、ホストってアングラなものなんで、表に出ない。出ても深夜番組ぐらい。自分がその現役の時にあったキタノチャンネル!CSの。アングラな方達が出演している番組で、「彼女が働く理由」っていうのでモザイクで俺出たんですよ!その頃のホストって…。
伯爵:ブラックに近いですよね、グレーゾーンっていうか。
逢坂:そうそう。
伯爵:当時の扱いがね。
逢坂:それこそうちのオーナーの京介さんとか、RさんとかYさんとかね。そこらへんの方達がテレビに出るようになって、ホストがどんどん認知されていくみたいな。
伯爵:金スマ出てましたよね?俺、金スマ見てました。
逢坂:さっき言ったオーナーね。
伯爵:俺はその金スマを見てる側だった。すげーなこの人って思ってました。
逢坂:だって若いでしょその時?
伯爵:僕は22〜23歳ですね。うちの『ロミオ』の会長が、多分それ出てたんで、ハモホスっていうネプチューンの番組に。
逢坂:あーはいはい!
伯爵:それをパロって金スマでやったんですよ!その番組でうちの会長のロミオがビリになって坊主にするっていう(笑)なんか演出で決めてたらしいですよ!その後のシナリオは分からないですけど。
☆:小学校上がるか上がらないかでその番組見てないですね…。
伯爵:20年前は確実なんで。
☆:じゃあ私が小学生に上がるかどうかですね。
伯爵:そこらへんからちょっと、ホストが明るい方になっていった。Jくんが同期ぐらいです。
逢坂:RさんがA店からI店に戻ってきた時、Rさんに一回も負けたことない。
伯爵:俺一回、I店行ってるっす。同業でI店に行って挨拶しましたよ。
逢坂:じゃあその時いる!
伯爵:でもお会いしてないですね…。その時にRさんとかは結構もう知ってたんで、Rさん着いて下さってGくんもいた。
逢坂:あーGね。
伯爵:Gくんがずっと着いてました。
逢坂:あいつうるさいから、あいつ着いてると俺あんまり着かない(笑)うるさいんだもん(笑)
伯爵:ずーっと喋ってる(笑)
逢坂:いつ辞めるんですか?いつ辞めるんですか?って剣さんがいるとNo.1になれないんですけどって(笑)
伯爵:Gくん面白いですね(笑)
逢坂:面白い面白い。
伯爵:同業からするとめちゃくちゃ面白いしかないんで。
☆:ちなみに、今回お2人は直接お会いするの自体が初めてですもんね。
逢坂&伯爵:初めてです。
☆:ホスト歴でいったら20年以上ですか?
伯爵:22〜23年ぐらいですかね。
逢坂:僕は約32年前に「いらっしゃいませ」ってホストを始めて。その後、経営に回って。
伯爵:ホスト歴めちゃくちゃ先輩ですね、10年ぐらい先輩ですね。
逢坂:1992年からずっとホスト、その後は経営の方に回ってミナミの方でずっとホストクラブ経営を。六本木でも経営してました。
伯爵:六本木でもやってたんですか?
逢坂:六本木のB店ってお店をね。当時は色々あって、ここは全カットで(笑)
伯爵:六本木はお店がすぐ無くなリますよね。新しく出来るんすけど。Aグループも確か出店してた気がします。
☆:六本木でホストクラブに通われる方っていらっしゃるんですか?
逢坂:いますいます。逆に六本木でやってた時って、歌舞伎町のこと見下してたっす!主なお客さんが、六本木と銀座のクラブの子達。男性のお客さんを連れてくるんで、お金めちゃくちゃ使うんですよ。
伯爵:そうですよね。男性客ゲットしちゃえば。
逢坂:ちなみに僕がI店にいた時は、☆さんはすでにホスホスに入社してたんですか?
☆:はい、ちょっと飲みに行ったりもしてました。
逢坂:まじっすか(笑)
☆:友達に面白いよって連れて行かれて、その時に剣さんいらっしゃったかもしれないです(笑)
逢坂:その時出勤遅くて、たしか22時ぐらいかな。
伯爵:なるほど!ナンバー出勤(笑)だから俺がI店に同業に行った時もいらっしゃらなかったのかもしれないです。多分早い時間に行ってるんで。
☆:早い時間いらっしゃらないですよね、有名な方だと(笑)面白いネタをたくさんお話しいただいて…(笑)
逢坂:いっぱいありますよ(笑)それこそ、我々の若い時代のホスト。いわゆる昔のホストってどうなんだっていう違い。エスケンっていうキャッチのチケットがあって、「お客さん連れて来るまで帰ってくるな」と。今、営業時間って風営法があるので1時きっちりに終わるじゃないですか。
伯爵:そうですね、1日いくらの売上が行かないと、終わらない…。
☆:え…。
伯爵:潰れたら、しゃあないよねって片付けられて。その辺に転がってましたもん、まじで。仕事だから起こしてねって言って、店内で寝てた(笑)
☆:皆さんそういった感じだったんですか?
逢坂&伯爵:大体そうだったかもしれないね。
伯爵:終わりがない…。
逢坂&伯爵:(苦笑)
逢坂:本当にあの頃のホストはブラックですよね。あと日給も安かったしね。
伯爵:俺は0円でしたね(笑)
逢坂:自分は初めてホスト始めた所は2000円だったんですよ。日給2000円(笑)
伯爵:いいっすね(笑)
逢坂:ヘルプで呼ばれるまで、入り口で立ってるんですよ。早い時間から掃除やって、入り口に指名本数と売上がグラフで貼ってあって。
伯爵:へぇー、もう結果が全部丸見えなんですね。
逢坂:だから今のホストっていいなって思いますよ。日給もまぁまぁ貰えるし。
伯爵:遅刻せずにタイムカード押したら日給貰えて、10何万円貰えるんで。俺0円だったんで(笑)
逢坂:キャッチしなきゃいけないんでしょ?
伯爵:キャッチで日給稼いでたんですよ。
☆:歴が長い方が強いですよね。
逢坂:多分メンタルが強い、根性があるっていうか。
伯爵:食っていかなきゃいけないから。昔は初回5000円とかで、2人入れちゃえば1万円。半分バックとかだったんで、日給5000円なんですよ2人入れちゃえば。日給0円で帰るか、キャッチして日給貰うか。なので当然キャッチしますよね!営業中でも、暑かろうが寒かろうが(笑)
☆:ホストクラブでも入店してすぐの方が、翌月には退店してしまうと耳にしたことがあります。
逢坂:入ってすぐの月ならいいけど、営業中に「タバコ買いに行ってきます」って言って帰って来ないやつがまぁまぁ(笑)
伯爵:買い出しのお金そのまま持って飛ぶとか、その日に。
☆:多いんですか?
逢坂:いますいます。
☆:すごいですね、そんな時代が(笑)
逢坂:そんな時代だったんです(笑)
☆:差が面白いですね、前のホストと今のホストと。
逢坂:なんかもう全然今は超ホワイト。
☆:ちゃんと企業化してますもんね、ホストクラブが。
伯爵:そうっすね、ちゃんと確定申告行ってますし。
☆:偉いですね(笑)
逢坂:本当に企業ですよね、一つの企業。スキームというかシステムがもう出来上がってて、プロデューサーさんとか上の人がセミナーとかやってて「売上を上げるためにこういう風にすれば売れるよ」って。その当時なんて「気合いと根性で」みたいなそんな感じ(笑)
伯爵:確かに(笑)
☆:体育会系ですね。
逢坂:だから今なんか殴られたらすぐ殴られたとか言いますけど、殴られるのとか喧嘩なんかしょっちゅうでした。
伯爵:僕はバンドマンだったんですけど、僕の先輩はヤンキーしかいなかったです(笑)
☆:ヤンキーとか不良ってかっこいいですよね。
伯爵:でも違うんすよね、種類が。ヤンキーでも種類違うんですよね。しっかり筋通ったヤンキーとかなんですよ。逆に今、陰湿なヤンキーとか多いじゃないですか(笑)
逢坂:半グレみたいな?(笑)
伯爵:そうっす!半グレみたいな(笑)なんでかっこいいヤンキーは多かったですね、先輩とか。
逢坂:もうめっちゃきついし、怒るし…ただ筋が通ってる。ダメなことはダメって言うし。その代わりちゃんと面倒を見てくれる。先輩が飯を食いに連れて行くとか、使わなくなったアクセサリーとか服とかを後輩に譲るとか。そういうのって当たり前にあったし。
☆:いいですね、本当に部活みたいですね。
逢坂:本当に部活!だからそれが楽しくて!2018年に現役を上がって、昼職で美容系のお仕事をしてるんですけど、女性が多いですよね。仕事が終わったらお疲れ様ですって言って、飯行ったりとか飲みに行ったりとかたまにするけども…。でもホストクラブって社員旅行とか、営業終わってみんなで男飲みとか!普通に男子校の部活のノリっていうか、そういうのでめちゃめちゃ楽しいんですよ!だからやっぱりホストって楽しかったなとか。
伯爵:確かにそうですね。
逢坂:それでまたこの業界に戻って来たんで。
伯爵:僕が店やってた時なんてサークルの延長上みたいな店だったんで、もう店って呼べるか分かんないような勢いで開いちゃった(笑)当時のホスホスの担当の人と一緒にお店の名前考えて(笑)
逢坂:へぇーそうなんだ。
伯爵:今はもういないんですけど、ホスホスの当時担当してくれてた方がアドバイスをくれて。僕が「きみにあいたくて」って曲が好きだったんで、お店の名前を「きみにあいたくて」にしますって言ったら、その人が「ア行」にした方がいいんで「あいたくてきみに」にしましょうっ!て言って(笑)「ア行」だったら上の方に来るから、アクセス数が増える。蓋を開けたら「伯爵」がいるっていう(笑)
逢坂:それだったら自分も源氏名の苗字は、「おおさか」って書いて「あいさか」って読むんですけど、「あいさか けん」で「ア行」と「カ行」しかないんで名前で検索すると一番上に出るんですよ(笑)
☆:考えられてますね(笑)
伯爵:そういえば僕当時、ホスホスのアクセスランキング上位に入ってました。
逢坂:自分もホスホスのアクセスランキング、全国1位になりました。
☆:地域別ではなくて、全国はすごいですね。
伯爵:自分もその時は、ホスホスのカレンダーに載せて貰いましたね。たしか2012年かな?
☆:そういった取り組みがあったんですね。カレンダーは毎月撮っていたんですか?
伯爵:年間のアクセス数上位だった20人!歌舞伎町20人・大阪20人。2012年ホスホスアクセスランキングで、歌舞伎町の20人に入りました。2012年のカレンダーで新春プレゼントみたいな感じだったかな。2011年かな?アクセスランキング1位。無名の店だったのに、「ア行」のおかげでか(笑)
逢坂:でもメディアの力ってすごいなって思います。様々な有名なお店がある中で当時在籍していたお店は、どっちかっていうとあんまり有名じゃなかったんです。
伯爵:お店は新しかったんですか?
逢坂:そうですね。でもRさん・Nさんっていう方達がレジェンドでいらっしゃって。自分がメディアに出るようになって、ホストがクローズアップされて。TVに出るとやっぱり知名度って上がりますよね。
伯爵:全然上がりますよね!今、自分は男性ファンが多いっすね(笑)
逢坂:いいじゃないですか〜。
伯爵:男性の方が多いです!道歩いてても「伯爵だよね?」って声かけられて。結構ヤカラ系が多いっす(笑)TVに出た時はドン底から這い上がってるって物語なんで、ヤカラ系とかアスリートとか。プロ野球選手とかからもDM来たりもします。男性に「おぉちょっと写真撮ろうぜ!」って声を掛けられたりとか、指名で来ていただいたりしますね。
逢坂:それはめちゃめちゃいいじゃないですか。
☆:本当にすごいですね。ちなみにお2人がホストになろうと思ったきっかけや、エピソードについてお伺いしてもよろしいでしょうか?
逢坂:俺は中学から家出とかしょっちゅうしてたんで。その当時ミナミのバブルの頃、みんなイケイケでディスコとかそういうのが流行ってる頃!家出の度に女の子の家を渡り歩いてた中の1人が「ホスト絶対やった方がいいよ!」って言われたのがきっかけかな?それで興味を持って色々調べて。
伯爵:女の子発信が多いですね。後輩とかはヒモ状態からの「ホストやりなよ、私行ってる店紹介するから」っていう下りが多かったですね。ちなみに俺がホスト始めたきっかけは、めちゃくちゃカッコいいんですけど(笑)
逢坂:聞きたい聞きたい(笑)
伯爵:これすげーメディアで言ってるんですけど、あんまり出てないんですよね(笑)ある1人の女の子がきっかけで始めました。その子、ホストに騙されてたんですよ!今でいう本営みたいな感じで、自殺未遂をしまくってて…。グループ交際で男女で家で集まって宅飲みとかする明るい女の子の1人だったんですよ。彼女とかじゃなく。その子が自殺未遂とかしちゃってて。そういうのやる子じゃなかったのに。ある時泣きながら電話がかかって来て、「私、相談あるんだけど」って。詳しく聞いたら、キャバクラが終わった後にホストクラブで飲んでストレス解消してたみたい。でも騙されて自殺未遂とかしちゃう自分がいる、だからその男の人とは別れたい…どうしよう。と相談されて。「じゃあ俺ホストやるわ、俺の店来い」って言って。それがきっかけです。なんかちょっとカッコイイっすね(笑)説明下手くそだったんですけど(笑)
逢坂:その女の子のためにってことですよね。
伯爵:その女の子のために。でも彼女とかでもないし、色恋沙汰もなかったし。自分も色々と助けられたりとかあったんで、ホストやる前から。その子のためにホストやってるような。当時バンドでツアーをやってたんで、バンドやりながらホストを始めました。
逢坂:バンド何系やってたんですか?
伯爵:若干ソフトなビジュアル系。シドとか同期なんですよ。ツアーもあるのでお金必要だな。でも休みを自由に取れた方がいいなって思って。結構緩いお店でした最初は。ライブやるんだったら休み取っていいよ!みたいなお店だったんで。少し売れてからいい給料貰えるなと思って(笑)ホストを辞められず。そこからずっとホスト人生ですね。でもその間にシドがメジャーデビューしたけど、俺はメジャーに行けず。本当に対バンとかしてたんで悔しかった。自分の店がダメになった時に、シドが武道館立ってて…。おいおいおい、俺何してんねんと!実はマオくんは俺と同い年で、がっつり同期なんですよ。
- 生涯現役で、ホストでありたい。
☆:お2人のホスホスプロフィール欄のコメントに対してお伺いしたいです。まず伯爵さんから。「歳をとったからプレイヤーでなくなるのではなく、プレイヤーでなくなるから歳をとる」というコメントについてなんですが。
伯爵:「生涯現役だよ」って言葉を伝えたくて。そのコメントをプロフィールに載せました。周りの色々な人に見られてないとキツくないですか?俺の周りの同級生とかもハゲ散らかってたりとか…。
☆:同窓会とか20代の時とは違いますよね。
伯爵:表に立ってないと、やっぱり年取るのも早いんじゃないかと。
逢坂:じゃあこれから俺、老けていくんですかね?(笑)
伯爵:どうなんですかね(笑)でも内勤さんも見られてはいるじゃないですか!内勤さん誘われたことはあったんですよ。言葉悪く聞こえたらあれなんですけど、内勤やるぐらいだったら俺辞めてしまおうと思って…。内勤さんってすげー大変じゃないですか。そのリスペクトもあるんですけど、僕はプレイヤー気質なんで。内勤さんやる自信がないっていうのもあるし、「生涯現役」でいたいなっていう。
逢坂:いやそれはわかりますよ!僕もどっちかっていうと現場の方が楽しいし、酒も好きだし、女の子も好きだし。稼げるのも現役の方が稼げるし。そういう部分では共感出来るのはすごいある。でも今、昼もやってるんで中途半端に出来ない。中途半端にプレイヤーをやったら、周りの本気でやってる人達に失礼だからっていうのはあります。
伯爵:ナンバー取って来た方の言葉なんでね、重いですね。
逢坂:やっぱりこれだけ店舗数があって、これだけの数のホストがいて。よく相談されたりするのが、「どうやったらお客さん来てくれるんですかね?」って相談されたりするじゃないですか。そういう時は「お客様へのレスポンスがすごい大事」っていうのを答えていたかな。このお店だけ初回来てると思ったら大間違い。他に何店舗も何十店舗も初回行ってて、LINEにホストの名前なんて腐るほど入ってるよ。みんなに同じことを言ってたとしたら、それに対して誰を選ぶかって言ったら…。ぶっちゃけ見た目なんて二の次なんで、一番最初に返信来た所に返すから!ってね。
伯爵:タイミング・フィーリング・ハプニングですよね。
逢坂:そうそうそう(笑)昔よく言ってたよね(笑)
伯爵:まじでタイミング大事だなって思いますよ(笑)芸人さんとかコラボすること多いんであれなんですけど、返信めっちゃ早い人の方が売れてるんですよね。さらば青春の森田さんなんて、秒で返信返ってくる。多分今LINEしたら、2分後ぐらいに返ってくる。そういう人の方が売れるし、プレイヤーでいる限りはそういうことしなきゃいけないなって。
逢坂:だからこそ、中途半端にプレイヤーは出来ないなって。年数が経てば経つほど、やっぱりこの業界って変わってくるし。もう昨日のことは今日通用しなくなったりとかする世界なんで。その中でもっと売れるための手伝いをしたりとか、教えられる事があるのかなって。
伯爵:さすがっす!俺は未だに抗いたいんで(笑)
逢坂:自分のホスホスのプロフィールで書いてるのが、「記録より記憶に残るホスト」。記録って例えば自分達って当時、1億円ってすごいな!1000万プレイヤーってすごいな!って言われてましたよね。今は店も3000万円も4000万円も当たり前になってるじゃないですか。ホストの売上がインフレしてきていて、記録って段々変わってきているよね。少し前だったら1000万円・100本すごいって言われてたのが、今は大したことないよね。って言われるようなご時世じゃないですか。でも「あの人すごかった」って言われる人って、実際数字がそうでもなくても「すごい!」って言われるじゃないですか。
☆:今でも名前がずっと出てくるホストさんとかですかね?
逢坂:そうそう。だからそういう所かな。
伯爵:そうっすね。だから当時ドンペリがほんと4万とかだったっすもんね。3万5000円とか4万円だったんで。今のお店で言ったら18万とかなんで、ドンペリ白が4〜5倍ぐらいになってますよね。
逢坂:TAXを入れたらもっとっすね。
伯爵:今の1000万って、昔のいくらっすか?何百万円が同じぐらい?
逢坂:250万円ね。
伯爵:同じ物入れるとしたら、250万円ってことっすね(笑)だから当時の250万円ってすごいなって思ったし、当時500万〜600万売れてる人っていやすっげぇ売れてるな!って思ってたし。
逢坂:いやもう500万売ったらすごかった。
伯爵:そのへんの体感が、今の子達に言っても数字わかんないんで。大したことないじゃんって言われる(笑)
☆:記録よりも記憶の方が強いですよね。そのために意識していたことは何かありましたか?
逢坂:当時よく初回でやってたこと。その時No.1やってたので調子こいてた部分もあったんで、「ちょっと時間ないので名刺だけいいですか?」って言って置いてったら、この人誰?って調べるじゃないですか。みんな女の子とかってホスホスとかですぐ調べて、「あ、No.1の人だ!」みたいな。そういう風に印象付けっていうか。初回とかもそうだし人との出会いってフィーリングじゃないですか。大体もう3秒でその人の印象が決まるって言うんで。
伯爵:タイミング・フィーリング・ハプニングですね(笑)
逢坂:そうそうそう(笑)
伯爵:ぶっちゃけ5分から、長くて10分ぐらいですよね初回の時間ってね。やっぱり爪痕残すのってめちゃくちゃ難しいんで。だったら印象やインパクトを与えた方が。
逢坂:それも10人も20人もつくわけじゃないですか。今内勤になって初めてわかることがあるんですけど、【送り】聞きに行った時に「えー覚えてない、これ誰だっけ?」っていうのがめちゃめちゃあって。
伯爵:めちゃめちゃ多いですよね。僕が名刺を【写真】にしてる理由はそれっす、覚えてないって言わせないために(笑)
☆:そうですよね。記憶に残ってるホストさんを何人かピックアップして、覚えてる方達の中で特に良いなと思った方を、送り指名にすると耳にしたことがあります!
伯爵:でしょ?だから良かった・よくないより、覚えてるか・覚えてないか。初回はとにかく回転が早いんで。
☆:印象付けは大事ですよね。
逢坂:そうなんですよ。
伯爵:さっきの” タイミング ”で言ったら、ノンフィクションのディレクターはたまたま出逢ったんですよ。向こうからオファー来たわけじゃなくて、街中で横で飲んでるおっちゃんに話しかけたら、ノンフィクションのディレクターで。
逢坂:えーそうなんだ!タイミングで?
伯爵:39歳のタイミングで(笑)39歳でどん底の売上ぐらいだったから、もうホストを辞めようかなと思ってた。バンドのみんなと飲んでたんだけど、みんな飲み終わってから帰っちゃって。俺1人飲み足りなくて飲んでたら、横におっちゃんがいて「ちょっと聞いてくださいよ」って話しかけたんですよ(笑)
逢坂:えー(笑)
伯爵:「もうホスト辞めるか辞めないか悩んでて、昔No.1だったんですよ。」って管巻いてたら、「お前の人生面白いじゃん、撮らせてくれ。」って言われて(笑)ベロベロだったんですけどLINE交換したら、ノンフィクションのディレクターで。
逢坂:まじか、すごいな(笑)
伯爵:本当にタイミング的に(笑)そこで話しかけてなかったら、今頃ここに存在してないんで。
逢坂:もしその時にノンフィクション出てなかったら、今何やってたの?
伯爵:今…何ですかね?全く考えてなかったですね。でもどん底だったんで。もう、本当にちょっと死のうかなぐらいの(笑)過去の栄光に縋って生きてる自分しかいなかったんで。黒歴史過ぎてあんまり覚えてないんですよ、その当時の1〜2年の記憶って。まじどん底だったんで…。ホスホスさんとかにも特集してもらったりとか、その過去の栄光を抱えながらの30代後半になってたら、何もオファー来なくなってるし…。ずっとホスホスさんがお店に来た時言ってるんですよ!「もう俺、賞味期限切れますよ」って(笑)
逢坂:(笑)
伯爵:なので、今回の企画のオファーは嬉しかったですね。
逢坂:俺内勤だけど、大丈夫?って思わず聞いちゃいました(笑)
- プレイヤーから内勤になって大変だったこと。
☆:内勤さんに移ったのは今年ですよね?
逢坂:そうです。
☆:今年の何月頃からですか?
逢坂:えーっと。今年の3月、4月とかそれぐらいですね。
☆:じゃあ半年ぐらいですね。
逢坂:そうですね。
☆:プレイヤーから内勤さんになって、大変なことはどんなことですか?
逢坂:いやもう大変なことだらけですよ(笑)100%の正解って本当になくて。例えば自分の行動の一つひとつが。キャストA・キャストB・キャストCに同じことをやっても「ありがとうございます」って言う人もいれば、それに対して反発をしてくる人もいるし。
伯爵:響かない子には響かないんですね。同じ説明をしても。
逢坂:例えばうちで言うと、僕は他の内勤の人達よりもどっちかって言うと、プレーヤーに寄り添った形で出来ると思うんですよね。自分がプレーヤーも長くやってたし、それなりに売ってきたっていうのがあるから。だから「こうした方がいいんじゃないかな」って部分って絶対あるじゃないですか。そういう部分を「何でお前に言われないといけないんだよ!」じゃないけど…。そういう部分が響かないと、悲しくなったりとかはありますよね。
伯爵:響かないと悲しいですよね。
逢坂:それに対して「本当にありがとうございます」って言ってくれたりとか、内勤になっても相談してくれる人ってやっぱり幹部だったりとか。売上が上位だったりとかするんですよね。
伯爵:内勤さんでも人間なんで、「ありがとうございます」って言われたらやっぱりその子可愛いなと思っちゃいますよね(笑)
逢坂:そうですね(笑)未経験とかで新人賞取って1ヶ月目で1000万円売った子とか、帰る時にいつも「剣さん、今日はありがとうございます。」って言ってくれるんですよ。やっぱり売れる理由わかるわ!と思う。
伯爵:本当に気配りですよね。気を使ってるのと、気がきくのってやっぱり違うんで。気を使ってるってよりも「気がきく」方がいいと思うんですよ。多分その子たちは教えられてないんですよね。
逢坂:そういう子って別にホストじゃなくても、他の仕事やっても売れるんじゃないかなと。
伯爵:何でも成功するでしょうね。ホストは学歴じゃないんで。コミュニケーション能力だったりとか、挨拶とかってめっちゃ大事だと思うんですよ。それこそレスを早く返したりとか、対応で変わるんじゃないかと。
逢坂:ぶっちゃけホストクラブのNo.1で、「えっ?!」ってなるようなNo.1も結構いたりするじゃないですか。
伯爵:話してて面白いか、連絡がめっちゃマメか。同期で本担と呼ばれるホストがいて、友達なんですけど顔あんまりカッコよくないんですよ(笑)自分でも言ってるぐらい(笑)ただのおっちゃんみたいな顔してるのに売上あげてて。でも女の子がその友達にずっとお金を使ってるのは何でだろう?って思って聞いたら「めっちゃマメで、めっちゃ優しくて」って。
☆:そういう人が売れるんですね。
伯爵:そういう入り口はあると思うんですよね。
逢坂:最低限の清潔感であったりとか、外で同伴とかアフターでもそうだけど。最低限、隣歩いて恥ずかしくないぐらいのレベルにしとけば、後は気持ちっていうかハートっていうか。
伯爵:そうですね。
逢坂:いかに寄り添えるか、っていう部分だと思う。だから全力で好きになって貰えるように努力する。
伯爵:僕で言ったらどっちかって言うとプレイヤー気質なんですけど、中身ポンコツなんで。
逢坂:(笑)
伯爵:お店では100%楽しませられるけど。それはヘルプの子もいるし、自分のステージだし。ただあんまりアフターはしないですね。店外でポンコツな部分がめくれちゃうとまずいんで(笑)酔っ払うと余計にポンコツなんで(笑)24時間ホストでいたいし、失敗したことが多々あるんで(笑)
☆:大体の方は、酔ってしまったら制御できないですもんね。
逢坂:僕はアフターはご飯だけが多いかな。どっちかって言うと休みの日は店外で。普段歌舞伎町の中で過ごしてるから、それこそお台場行ったりとか、横浜中華街に行こうとかっていう感じで(歌舞伎町の)外に出る。
伯爵:その方が絶対失敗しないですよね。俺、店外あんまり求められないんですよね。「忙しいんでしょ?どうせ。」って。俺から誘っても「いい大丈夫、気を使わなくて。」って言われますね。
☆:今後プレイヤーに戻りたいという気持ちはありますか?
逢坂:本気でプレイヤーをやれる環境になったらやるかな。夜一択でやれるようになるんであれば、全然まだ俺自信あるし。
伯爵:まだまだ現役の香りがすごいっすよ(笑)そのへん感じるんで、ホストとしてすげー先輩だなって。
逢坂:虎視眈々と売ってみようかな(笑)内勤やりながらNo.1とか面白いなと(笑)
伯爵:わかるっす。それカッコいいっすね。じゃあ俺、今度相談して良いですか(笑)
☆:今日の対談で相談相手が、成立しましたね(笑)
伯爵:いいでしょう(笑)自分より先輩なんで(笑)
☆:お2人とも長く歌舞伎町にいて、今回初めてお会いしたというのが面白かったですね。
逢坂:すれ違ったりとか、お客さんが実は、とかはあると思うんですけど。
伯爵:いるかもしれないですね、実は誰々ちゃんがお互い指名してたとかね。
- 最後にホスホスの読者様に向けて、お2人からメッセージをお願いします!
伯爵:僕的には頑張ってるおじさんまだいるんで、肉ばっか食ってても疲れちゃうんでね、たまには野菜を食べに来てね(笑)旦那様がいたり彼氏がいるお客様も多いので、気楽に来てもらえたらと。騙されちゃうとかで悩んでる方とか、おじホスの余裕とか魅力を伝えられたら良いなと。
逢坂:本当に一種のアミューズメントだからね。昔は夜飲みに行くって行ったら、男性がスナックとかクラブとかキャバレーとかに飲みに行くっていうのが主流。女性が飲みに行くっていうとイメージが悪かったのが、今は男女平等で女性もバリバリ働いてたりとか。ホストクラブってちゃんとした楽しみ方をしたら、こんなに良いアミューズメントってないんじゃないかな!と。
伯爵:癒しを求めに来て欲しいのに、病んでる子達が多いので…。今のご時世だからか、余計にそれが悲しくて。俺は営業方針を昔から変えてないんですけど、やっぱり癒されに来て欲しいって言うのが本当にありますね。
逢坂:あとはストレス解消であったりとか、楽しみに来て欲しいなって。自分のお客様とかも、忘年会や誕生日会で使ってくれたりとかで、来てくれたりしますね。
伯爵:そうっすね。変に気を使わずに、もっと気楽に来てくれたら良いなって思いますね。ちなみに僕のお客様は、主婦層が多いです。
逢坂:あ、そうなんすか?
伯爵:僕よりも年上だったり、同世代のお客様が多いです。
逢坂:自分逆に若い子の方が多くて。
伯爵:若い子もいるんですけど、圧倒的にノンフィクションの影響かなと(笑)
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新たに自身を開拓し道を切り開いていくお2方の姿を、ほんの一部ではございますがご紹介出来たのではと存じます☆
この度はお忙しい中、取材・撮影にご協力下さり誠にありがとうございました!!
同世代の皆様、ぜひ一度お2方とお酒を酌み交わしてみてはいかがでしょうか♪
―取材協力
『エルズコレクショングループ ガイ』様
『エルズコレクショングループ ハムレット』様
柏原勝哉 伯爵
逢坂 剣さん
―撮影
su(新宿本社スタッフ)
―取材
☆(新宿本社スタッフ)
―企画&編集
A→★/TOM.T(新宿本社スタッフ)